楽しい海外旅行。しかし、目的地のホテルに到着し、スーツケースを開けて荷物を出そうとした瞬間、ダイヤル式南京錠や、スーツケース本体に付いているTSAロックの番号が思い出せない、あるいは番号は合っているはずなのに開かない。このトラブルは、旅の楽しさを一瞬で吹き飛ばす、まさに悪夢のような事態です。慣れない土地で、パニックに陥りそうになる気持ちは分かりますが、まずは落ち着いて、できることから試してみましょう。最初にやるべきことは、記憶の再確認です。時差ボケや長旅の疲れで、頭が正常に働いていない可能性があります。設定した番号は、本当にその番号でしたか?自分の誕生日、電話番号、あるいは何か別の記念日など、心当たりのある数字を全て、ゆっくりと試してみてください。案外、単純な思い込みが原因であることも多いのです。それでも開かない場合は、シャックルやロックのボタンを押し込みながらダイヤルを回す、というテクニックを試してみましょう。輸送中に衝撃が加わり、内部の機構がわずかにズレて、ロックが固くなっている可能性があります。この「ひと押し」で、問題が解決することもあります。もし、これらの方法でも開かない場合、選択肢は限られてきます。ホテルのフロントに相談してみるのも一つの手です。大きなホテルであれば、状況によっては、工具を貸してくれたり、提携している業者を紹介してくれたりするかもしれません。しかし、多くの場合、ホテル側も責任問題から、鍵の破壊などには関与してくれません。そうなった場合の最終手段は、現地でボルトクリッパーのような工具を購入し、自力で破壊するか、あるいは現地の鍵屋を探して依頼することになります。ただし、言葉の壁や料金トラブルのリスクも伴います。このような事態を避けるため、旅行に出かける前には、必ずロックの番号をメモして、スーツケースとは別の場所(スマートフォンのメモ帳や、手持ちのカバンなど)に保管しておくこと。この小さな一手間が、あなたの旅を悪夢から守る、何よりものお守りとなるのです。
旅先でスーツケースの鍵が開かない!その時の対処法