DIYにはそれなりに自信があった私。長年使ってきて、少しガタつきが気になっていたリビングのサッシのクレセント錠を、防犯性の高い鍵付きのものに交換しようと思い立ちました。インターネットで見た目も格好良い製品を見つけ、「まあ、大体同じくらいの大きさだろう」と、安易な自己判断で注文ボタンをクリックしてしまったのです。それが、私の苦い失敗の始まりでした。数日後、待ちに待った新しいクレセント錠が届きました。週末の朝、意気揚々とドライバーを手に、古いクレセント錠を取り外しにかかりました。ネジを二本外すだけの簡単な作業。ここまでは順調でした。そして、いよいよ新しいクレセント錠を取り付けようと、元の場所に合わせてみた瞬間、私は言葉を失いました。ネジ穴の位置が、ほんの数ミリ、合わないのです。古いネジ穴と、新しい製品のネジ穴が、微妙にずれていて、どうしてもネジを締めることができません。「まさか…」と思い、メジャーで測ってみると、二つのネジ穴の間の距離(ビスピッチ)が、古いものは80mm、新しく買ったものは75mmでした。たった5mm。しかし、このたった5mmの差が、取り付けを不可能にする、決定的な壁となったのです。私は、自分の採寸の怠慢を深く呪いました。事前に、このビスピッチさえ正確に測っておけば、こんなことにはならなかったはずです。結局、その日に交換するのを諦め、もう一度、自宅のクレセント錠の寸法を隅々まで正確に測り直し、それに適合する別の製品を買い直す羽目になりました。最初に買った製品は、返品もできず、無駄な出費となってしまいました。この経験は、私にDIYにおける最も重要な教訓を教えてくれました。それは、「思い込みと油断は禁物。何事も、正確な測定から始めよ」ということです。特に、規格が多岐にわたる建具の部品交換においては、メジャーの一目盛りが、成功と失敗を分けるのです。これからサッシの鍵交換に挑戦しようとする皆さんには、ぜひ、私と同じ轍を踏まないよう、慎重な準備を心がけてほしいと、心から願います。
私の失敗談。サッシの鍵交換でサイズを間違えた日