賃貸マンションやアパートに住んでいると、窓の防犯性に不安を感じても、「どうせ工事はできないし…」と諦めてしまいがちです。しかし、空き巣の侵入口として最も狙われやすいのが窓である以上、何の対策もしないのはあまりにも無防備です。実は、賃貸住宅のルールである「原状回復義務」を守りながら、サッシのセキュリティを格段に向上させるための、賢い方法がいくつも存在します。まず、大家さんや管理会社に「交渉してみる」という選択肢を忘れてはいけません。特に、標準のクレセント錠が古くてガタついているような場合は、「経年劣化による不具合」として、大家さん側の費用負担で、新しいものに交換してもらえる可能性があります。また、「防犯上の不安があるので、自己負担で鍵付きのクレセント錠に交換したい。退去時には必ず元に戻します」と、丁寧に相談すれば、許可してくれるケースも少なくありません。交渉が難しい場合、あるいはもっと手軽に対策したい場合は、「穴あけ不要の補助錠」が非常に有効です。ホームセンターや防犯グッズの専門店に行けば、様々な種類の製品が販売されています。最もポピュラーなのが、サッシのレール部分に両面テープで貼り付けたり、ネジを回して締め付けたりして固定するタイプです。これを設置すれば、窓を一定以上開けることができなくなり、クレセント錠を破られたとしても、侵入を防ぐことができます。換気のために少しだけ窓を開けておく際にも、防犯ロックとして機能するため一石二鳥です。さらに、防犯対策は鍵だけではありません。「防犯フィルム」を窓ガラスに貼ることも、極めて効果的です。これは、ガラスが割られても飛散を防ぎ、簡単には穴を開けさせないようにする特殊なフィルムです。ガラス破りに時間がかかることを嫌う侵入犯に対して、大きな抑止力となります。これらの対策は、いずれも退去時に元に戻せるものばかりです。賃貸だからと諦めずに、これらの工夫を組み合わせることで、あなた自身の安全と財産を、その手で守ることができるのです。
賃貸でも諦めない!サッシの防犯強化術